2005.06.01

王の帰還

 いまさらですが、ようやくDVD(SEE)を見たので。

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション

250分(2005-02-02)
ポニーキャニオン

 劇場公開時より50分近く映像が加わったということなので、えーと、4時間超えてるんですね。
 のんびり見ました。
 いろいろツッコミどころはありますが、あの原作をここまで映像化した、という点で評価出来ると思います。
 個人的には、細かいところの美術造型にうっとりです。

 作品全体のバランスを考えると、無難な作りになっていたように思います。サルマンの最期を原作通りではない筋書きで3部の始めの方に持ってきたのは仕方のないことでしょう(それにしてもあの最期のシーンは見ていて痛い……)。

 でもエオウィン姫とファラミアのエピソードの加え方はイマイチ。つまり、寮病院とその後の彼らのシーンですけど。原作では時間をかけて、ファラミアの美徳とともに自分の新しい在り方を見出すエオウィン姫ですが、あれじゃあエオウィン姫が安易に恋愛対象を乗り換えたみたいに見える。いかにも原作ファンへの脳内補完用サービスカットという感じで、中途半端に感じました。まあ、原作のように彼らのエピソードをじっくり語っている余裕は時間的にもバランス上もないわけですけど。それはわかるけどー!!

 それに、アラゴルンの「王の手」のエピソードも上手く使えなかったんですかね。彼が王だということが市民に認知される、重要でおいしいエピソードなのに。まあ、戦関連のシーンでこまごまと増えていた追加シーンのおかげか、以前ほど(第二部を劇場で見たときほど)彼の立ち位置に関する違和感はありませんでしたが……。

 デネソール候の最期は……あれはファラミアに対する良心の呵責でいたたまれなくなって走り出したという解釈でいいのかしら。ていうか、ガンダルフ、デネソール候を止めたり消火したりできなかったんでしょうか。もとからデネソール候を救う気はなかったんですかって思ってしまうくらいの、ガンダルフの冷静な台詞が気になりました。
 そういえばデネソール候とパランティアのエピソードも削られてた? それはそれでアリかもですが。

 あと、劇場版を見たときから気になっていた違和感がもう一つ。ピピンとガンダルフがミナス・ティリスの攻防中に交わす会話。原作ではラスト間際で灰色港を発ったフロドが見た情景として語られる風景(「灰色の雨の帳が~」のくだり)が、ここでガンダルフによって語られるのですが……あのコンテキストだと死後の世界について語っているように思いました。でも、フロドがエルフたちとともに行った西方は、そういう世界ではないと思ってたんですけど……(神様とかその眷属とかはいるらしいけど)。うーん、そのあたりはシルマリルの物語あたりをきっちり読み込まないと正確なところはわからない……。


 よかったところを挙げていくと……

 登場人物たちの人柄や人間関係を示す小さなエピソードの積み重なりは楽しめました。デネソール候に謁見する直前のガンダルフとピピンの会話とか、オークの鎧と衣服を身にまとっても鍋を持って歩くサムとか、メリーと行軍するエオウィンの表情とか。戦場に倒れたエオウィンをかき抱いて号泣するエオメルと呆然とするアラゴルンとか、ミナス・ティリスに連れて行かれるピピンを見送るメリーの表情とか。死者たちを見送った後、アラゴルンにガンダルフが一礼するところとか。
 とてもじっくりと登場人物の内面や人間関係を描いてきたために、端折られてしまったところが悪い意味で目立つことにもなってますが。

 指輪を手放す前後のフロドの表情の変化は、役者だなあと思いました。

 そういえば、監督の趣味なのでしょうが、全編通じて異形の敵が生き生きしてましたな。見た目はアレだけど。異形の味方(幽霊さんたち)も楽しそうでした。

 全体的には、満足。

 特典ディスクや隠し映像はこれから楽しみます。

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